理系離れ

最近、「理系科目離れ」が顕著である。

そこで、自分なりに「理系科目離れ」の原因について考えてみた。


私は現在、理系学部に所属しているが、中学、高校の時はあまり数学が好きでなかった。

しかし、高校時代や浪人時代に良い先生に恵まれたということもあり、理系科目を勉強することの楽しさに気づくことができた。

この経験を通して、今の学校教育に足らないものが見えてきた。

ここでは、理系科目(特に理科の科目)を学ぶ上で大切であろうことを述べてみる。

・「理系科目」をもっと身近に感じること

理科(化学、物理、生物、地学)は、私たちの身近に存在する事象について学ぶ学問である。

それなら、なぜ学校の先生は、もっと身近な事象と関連付けて理科を教えないのだろうか、と私は疑問に思う。

例えば、化学の「気体」の単元を例にあげてみる。

気体の単元は、多くの高校生が苦手意識を持つ単元である。

その一つの原因は、気体は私たちの身近には存在しているのだが、「目に見えない」からではないか、と私は考えている。

目に見えないものの現象について考えたり、計算をしたりするというのは、どうもピンとこないし、イメージしにくい…というのが、多くの高校生の率直な気持ちであろう。

では、普段は目に見えない気体を身近に感じるにはどうするのか。

…目に見える現象を例にあげればいいのである。

例えば、新品のポテトチップスの袋を持って山登りをするとしよう。

すると、山を登っていくにつれて、ポテトチップスの袋に変化が生じることがわかる。

袋は最終的に、パンパンに膨らむことだろう。

ここでわかることは、気体には「体積」があること。

そして、「何か条件の変化によって、気体の体積が変化する」ということも自明である。

この事象は有名であるし、実際に同じような経験をしたことがある人がいるかもしれない。

こう考えると、気体が身近に感じるし、計算などをすることに何の抵抗感もなくなる。


要するに、単元ごとの導入部分で、もっと生徒の興味関心を向けさせ、自分の身近にある事象について扱うということを伝えるべく、先生たちがそれぞれ工夫する必要があると私は思う。

現在、社会では「子供の理系科目離れが著しい」と言われているが、そもそもの原因は、ほとんど教科書通りにしか教育できない「先生たち」にあるのではないのか、と私は思う。